1475 かあちゃんの匂い [詩・エッセイ]
「かあちゃんの匂い」
にわか雨が降りだすと子どもたちの
雨傘は
サトイモの大きな葉っぱ
赤ちゃんの涙のような水の玉が
つるりんこんと滑って
空に飛んで行く
カンカン照りの晴れた日には
野良仕事で
顔も服も汗だらけのかあちゃんに
サトイモの葉っぱに
冷たい湧き水を汲んで持って行く
大好きなかあちゃんの歓ぶ顔が
見たいから
水のこぼれる跡を畑につけながら
そろりそろりと
持って行く
「おぉー、これは御馳走、甘露、甘露」
と言いながら
かあちゃんはお日様の真下で
零れそうな笑顔と一緒に
ゴックン ゴックン
と 喉を鳴らし
舌を鳴らし
美味しそうに飲んでいる
抱きつくと
汗の匂いと
草いきれの匂いと
かあちゃんの匂いがした
1474 テレビに映る邪悪な顔 [詩・エッセイ]
「テレビに映る邪悪な顔」
古希を超え、後期高齢者になり、
自分の考え方が頑迷固陋になった所為なのだろうか、
テレビニュースを見ていたら
吐き気を催すような邪悪な顔が次から次に現われるから
テレビを消してしまう今日この頃である。
平気で嘘を連発する羞恥心の欠片も無い韓国のムンジェイン、
叔父を殺し、実の兄を殺し、側近を処刑収容所に送る悪魔のような北朝鮮の金正恩、
西側諸国と対立しクリミア半島を強引にロシアに編入のときには
核のボタンを握っていたと嘯くロシアのプーチン、
国際法を無視、中華思想を信じ、南沙諸島を自国の領土だとして軍事拠点化し、
チベットやウイグル人を弾圧する中国の習近平、
女性を蔑視し、民族を差別し対立を煽り、白人至上主義のアメリカのトランプ大統領、
かってアメリカは民主主義の総本山であったのに、
今のアメリカには、その面影さえもない。
そのアメリカの大統領トランプをノーベル平和賞候補に推薦した人が居ると言う?
馬鹿大統領を推薦をしたのは地獄の大統領閻魔大王かと思いきや、
然に非ず、
選りにも選って我が日本国の安倍晋三総理大臣だと聞いて、
私は引っくり返ってしまった。
それはブラックジョークかと思ったが、そうでもないらしい。
もう、この言葉の後を書く気にもならないから書くのを止めるが、
こんな事で、この地球は大丈夫なのだろうか???
1473 いつの頃からだろう [詩・エッセイ]
40年ぶりに引越しを始めてから35日、
処分した物の重量500キロ以上、
未だに片付いてはいませんが、
どうやら先が見えたような気がする今日この頃です。
それにしても、
引越しをしてあらためて気付かされたのですが、
本、雑誌、スクラップブック、石、その他諸々、
私の病的な収集癖には、
自己嫌悪に苛まれる日々でした。
三つ子の魂百までと言われている通り治りそうにありませんので、
この悪癖を地獄への道連れにするつもりです。
それらとは一切関係のない事のなのですが、
厚生労働省の基幹統計「毎月勤労統計」の不適切調査問題をはじめ、
財務省役人の公文書偽造、偽証問題にしても、
国有財産売却不正問題にしても、
誰も罪に問われることも無く、
誰も責任を取らなくなってしまいました。
かっての日本は「公」を大切にする民族だったのに、
罪の意識を何よりも大切にする国だった筈なのに、
どうして、
こんな出鱈目で無責任な人たちが大手を振って歩ける国になったのでしょう?
「いつの頃からだろう」
いつの頃からだろう
過程は省略され
結果ばかり求めるようになったのは
いつの頃からだろう
間違いを犯しても
責任を取る人が
誰一人として居なくなってしまったのは
いつの頃からだろう
子供が
父や母を疎ましく思うようになったのは
いつの頃からだろう
父や母が子供を憎むようになったのは
いつの頃からだろう
人の心の中に
愛を食べ尽くしてしまう
虫が棲みつくようになったのは