1510 妹のため息 [詩・エッセイ]
「妹のため息」
おばあちゃんが
小学校一年生になったばかりの孫にたずねました
「お勉強は好きですか?」
「それがねぇ、おばあちゃん、
出来んのよ、この子は。
ちっとも勉強をしないの」
傍にいた
三歳になる妹が
ため息をつきながら小姑のように答えました
「この子は夜になると
一人でオシッコにもいけないのよ。
いつも私が付いて行くの。
私がいなくなると、
早く来てオシッコが出ないって大きな声で泣くのよ。
本当に困った子なの、おばあちゃん」
妹の美菜ちゃんは
お兄ちゃんの手を握りしめながら
睨みました