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1508 月見草 [詩・エッセイ]


「月見草」


暗闇に

月の光を浴びて

艶然と微笑む

月見草


陽が落ちて

暗くなりはじめると

項垂れていた

皴皴の蕾がほどけて

ぷつぷつぷつと音をたてながら

見る見るうちに花になる


その黄色い可憐な姿は

薄倖の佳人のように

憂いを秘めて立っている


父の好きだった

月見草

幼いときに死んだ父

あれから半世紀もとっくの昔に過ぎてしまい

父は私より

遥か年下になってしまった

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