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1503 影法師 [詩・エッセイ]


「影法師」


幼い頃

夕焼色の原っぱで

背中を真っ赤に染めながら

伸びたり縮んだりする影法師を追っかけたことがある

追っかけても

追っかけても

追いつくことの出来なかった

すばしっこい影法師


あれからいくたび星が周り

どれくらい時間は流れ去ってしまったのだろう


気がつけば

髪の毛は薄くなり

薄くなったものは白くなり

皮膚は弛み

歩行する影は

まるでナマケモノとそっくりである


影法師は今でも健在であるが

すばしっこい影法師は二度と戻っては来ない

ナマケモノになってしまった影法師が

のろのろと

後ろになったり前になったりして

何処までも付いて来る





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1502 桜の花 [詩・エッセイ]


「桜の花」


桜の花は

儚いとも

虚しいともいうが

桜の花は

ちっとも儚くもなければ

虚しくもない

一年も経てば

ほかの樹木と同じように

鮮やかな花を咲かせてくれる


儚くて

虚しいのは

千々に乱れる人の心

桜の花は

風の差配の命ずるがままに

平常心で咲いているだけなのだ

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1500 人類を滅ぼすもの [詩・エッセイ]

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(畑の中から出て来た異形の自然薯)



「人類を滅ぼすもの」


新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、

日本政府の緊急事態宣言が発令された。


地球の歴史を一年で表すと、

人類の歴史は12月31日大晦日の9時30分、

初期の人類アウストラロピテクス(猿人)が地球上に君臨して

2時間半、

我々ホモサピエンスが誕生して、

たったの8分間である。


昔々偉い学者が言っていたのを思い出す。

人類を滅ぼすのは、

飢餓や、自然災害でもなければ、戦争でもない、

新型のウイルスだと。


だけど、我々はそんな言葉に負けるわけにはいかない。

何としても

新型コロナウイルス打ち勝たなければならない。



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1499 天使を見た [詩・エッセイ]

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(揚羽蝶の幼虫)


「天使を見た」


天使とは、

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖典や伝承に登場する神の使いであるが、

畑で作っているスダチの木で初めて

揚羽蝶の幼虫に出会った時、

その無垢な愛らしさに、

私は天使のようだと思ったものである。


その思いは今でも変わらない。

私のブログのシンボルマークは揚羽蝶の幼虫である。

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1498 悔やみ [詩・エッセイ]

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「悔やみ」


文を作りて

文にならず

句を作りて

句拙く

詩を書きて

詩さらに拙く


惜しむらくは

少年の日

漫画に親しみて

勉学を疎かにしたこと



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1497 友よ [詩・エッセイ]

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(田園の黄昏)


「友よ」


友よ

もう若くない老いた友よ

我がバッカスの楽園に来たれ

酒でも呑もうではないか


歳月は残酷なものだ

昭和 平成 令和と三代にわたり

うっかり

油断をして生きていたら

瞬きをしている間に喜寿を迎えてしまった


今は

メモリーの時代

若者や子供たちは二十四時間

それを空気のように吸って生きている

若者と老人は

メモリーの水と油の層に遮られ交わることはない


友よ

もう若くない老いた友よ

我がバッカスの楽園に来たれ

酒でも呑もうではないか


バッカスの神々も御照覧あれ


春には

満開の桜の木の下で

花の筵に車座で

盃に花びらを浮かべ

花の酒


夏には

天の川の酒を飲み干して

銀河の果てまで旅をし

盃に星を浮かべ

星の酒


秋には

野も山も谷川も山紫水明のとき

一枚の落ち葉に幽愁をおもい

盃に紅葉を浮かべ

紅葉の酒


冬には

降りしきる雪をかきわけ

枯れ木に火をつけ

盃に焚火を浮かべ

焚火の酒


友よ

もう若くない老いた友よ

限りある時間を華やかに

我とともに

よきバッカスの

美酒を呑もうではないか


汲むほどに

飲むほどに

ものはみな華やいで

ものはみなやすらいでくる


よき友よ

もう若くない老いた友よ

酒を呑もう

夜が明けるまで

酔眼朦朧語り明かして

酒を呑もう






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1496 アボカドの樹 [詩・エッセイ]

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 (食べた後の実から芽が出て八か月経ったころのアボカドの木)



  「アボカドの樹」


アボカドは、クスノキ科ワニナシ属の常緑高木で、

別名ワニナシと言うそうである。


今から二年くらい前、

面白半分に食べたばかりのアボカドの実を植木鉢に埋めたら、

一か月も経たないうちに見事な双葉の芽が出て来たのには驚いたものである。


その姿は美しく気品があったので、

まるで恋でもしているかのような顔で眺めつづけたものである。

今では

1メートルを遥かに超える雄姿に育ち私たちを楽しませてくれている。




    

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1495 五つの名前 [詩・エッセイ]

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(水桶の近くに自然に生えて来たノジギクによく似た花?)



「五つの名前」


人が穏やかに

波風立てずにまあるく生きるのには

五つの名前があるといい

名前が一つだけでは窮屈であり疲れてしまう


一つは

家族の中の私

家族だけのための名前


一つは

学び舎の中の私

学生としてだけの私


一つは

会社の中の私

会社だけのための名前


一つは

社会人の一人としての私

社会人としての名前


一つは

私だけの私

私だけのための私の名前


みんな

それぞれの私がいて それぞれの役目をする

名前は五つあるといい



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1494 縄文土器もどき? [詩・エッセイ]


「縄文土器もどき?」

すっかりご無沙汰をしてしまい忘れ去られてしまっているのではないでしょうか?

ご心配をお掛けしましたが脳内出血の方も、

ほぼ完治したと言われましたので農作業の方も従来通り行っておりますのでご安心ください。


復帰一番に遊びの一つとして、、

畑の土の下の粘土層を利用して縄文土器ならぬ素焼きを作ったので、

恥ずかしながら披露したいと思います。


50センチくらい畑の表土を除き、

その下の粘土を掘り出し、乾燥させ、

それを粉々に砕いて選別し、

それを練り上げて成型し、

それを囲炉裏の炭火で焼き上げたのが下記の写真です。



              (縄文土器もどき素焼き?)

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「ゴリラの王様」の再挑戦。 [詩・エッセイ]


「童話・ゴリラの王様」の再挑戦


私はこれまで五冊の本を自費出版してきましたが、

その中でたった一冊だけ店頭に並ばなかった作品があります。

それが「童話・ゴリラの王様」でした。


「童話・ゴリラの王様」を読んで頂いた、

産経新聞の朝刊に掲載されている「朝の詩」の選者であられた詩新川和江先生は、

「飽食の時代に育った現代の子供たちに、是非読ませたい本です」

と書いて下さり、

NHK大河ドラマ「太閤記」「源義経」「樅木は残った」などを演出された吉田直哉先生は、

「志の高い傑作の誕生を心からお祝い申し上げます」

と書いて下さいました。

その他の著名人や一般の人たちからも沢山のお褒めのお言葉を頂いております。

そんなに期待していた作品だったのに、

出版元の新風舎が倒産したのを

発売日の一週間前の2008年1月8日朝のNHKニュースで知りました。


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その日は絶望の日となりましたが、

一つだけ好いことがありました。

それは、出版社の倉庫に「童話・ゴリラの王様」が500冊だけ残っていたのです。

私は藁にでも縋り付く思いで、

友人や知り合い、地方自治体の方々や、全国の図書館の方々に葉書や手紙を送り、

「童話・ゴリラの王様」の購入を依頼したのでした。

この世には、

捨てる神があれば、拾ってくれる神も居るものです。

その500冊は

年内に全て完売してしまったのです。


自分の書いた作品のうちでも最も好きな作品でもありますし、

これがまともに店頭に並んでいたなら、

もっと違った運命もあったのではないかと手前勝手なことを思っておりました。

そんな思いは近年ますます強くなり、

あらためて再挑戦をすることを決意をした次第です。


絵を描いて下さった「ひだかきょうこ」さんの賛同もあり、

信頼できる出版社「パブリック・ブレイン」さんのご協力を戴いて、

新しい編集の下に、

新生「ゴリラの王様」を誕生させたいと願っております。


どうか皆様方も、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます










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