1470 続々女郎蜘蛛・奇跡 [詩・エッセイ]
「続々女郎蜘蛛・奇跡」
私は何にでも感動する性格だからかもしれないが、
これも奇跡のような話だと思った。
一回目に、
タラの木の葉っぱと小屋を結んで女郎蜘蛛が蜘蛛の巣を作った話を書いた。
二回目で、
タラの木の葉っぱが落ちて蜘蛛の巣が消滅してしまい、
小屋の入口に新たに蜘蛛の巣を作った話を書いた。
11月2日、
友人たちと宴会をするため、
その小屋で、
釘を打つ大工仕事をしたら振動に驚いたのか、
女郎蜘蛛は逃げ出してしまい行方不明になってしまった。
12月11日、
探しても見つからなかった、
その女郎蜘蛛に再会したのである。
それも、
その女郎蜘蛛が巣を張っていた真下の小石の上を歩いているのである。
後五センチズレていたら踏み潰すところであった。
一か月と九日ぶりの再会であった。
それは奇跡のような再会であったが、
何処かで子供を産んできたのであろうか、
パンパンに膨れ上がっていたお腹は引き締まり小さくなっていた。
掌に乗せるともぞもぞと動いて腕を這うので、
小屋の柱に移してやると、
蜘蛛の巣を張っていた所まで登り蜘蛛の糸を貼り始めたのである。
それも、わずかしか張ることができないが、
(申し訳ない、蜘蛛の巣は居なくなってから邪魔になるので取っ払ってしまっていた)
信じられない光景であった。
しかし、女郎蜘蛛は越冬して生き延びる力は無い、
女郎蜘蛛が卵嚢の中に産んだ無数の卵だけが生きられるのだ。
二三日前草むらで見つけた揚羽蝶を思い出す。
もう飛べない揚羽蝶は弱弱しく踠いていた。
その揚羽蝶に、
私は囁きかけた。
「僕たちは仲間なんだよね」と。
女郎蜘蛛が蜘蛛の巣を張っていた枝に、
小さな蛙が突き刺さっていた。
これも奇跡
百舌がこんな所まで飛んで来て生贄を置いて行くなんて。
それも同じ枝に?
2018-12-12 09:09
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コメント(26)
おはようございます。
凄い優しいんですね~。
私はどうしても昆虫類が手に
取れません。
女郎蜘蛛を掌に乗せてる光景を
想像するだけでびっくりです。
それぞれの生きている者たちへの
優しさを感じて凄いな~と・・・
by yoko-minato (2018-12-12 10:31)
yoko-minatoさんへ
いえいえ、飛んでもありません。
いい歳をして、つい感傷に浸っておりました。
子供の頃、蛇を虐待したことがあるのですが、
懺悔の気持ちなのでしょうか、
命が愛おしいですね。
by 未来 (2018-12-12 10:52)
蜘蛛を嫌うだけでなく愛おしむんですね。
爺は田舎のせいで蜘蛛は多いですが取り払ってます。
by 旅爺さん (2018-12-12 11:30)
旅爺さんへ
亀には何度も逃げられているので、
傍に居てくれるものなら何でも可愛いものですよ。
以前は私も、旅爺さんと同じように取り払っていました。
それにしても、身近に居たなんて知りませんでした。
by 未来 (2018-12-12 11:36)
こんにちは^^
小さい小さい動物の世界、感動ですね~♪
by mimimomo (2018-12-12 12:09)
こんにちは
未来さん 女郎蜘蛛のこと
忘れずに覚えていらしたのですね
これから寒い冬がやってきますが
再会出来た事でこの先心配になってしまいますね
どんなに小さくても大切な命ですものね(^^)
by Kiki (2018-12-12 13:29)
命を感じますね^^
巡ってるんだな〜って感じます。
未来さんと交流を持っている女郎蜘蛛が
愛おしくなってきましたよ^^
by リュカ (2018-12-12 13:55)
mimimomoさんへ
確かに小さな命ではありますが、
その務めを果たして帰って来たのかもしれませんね。
やつれた感じが哀れでもありましたが、
命の尊厳も感じました。
by 未来 (2018-12-12 15:27)
kikiさんへ
あのままで何時迄も居て欲しかったのですが、
大工仕事をしてしまったものですから、
逃げ出してしまい悪い事をしたと思っていました。
そうなんです。
また蜘蛛の巣を作っているのですが、
とても小さくて獲物を捕獲するのには役に立ちそうにありません。
ほんと、この先が心配です。
by 未来 (2018-12-12 15:35)
リュカさんへ
ほんと、命の循環を感じさせてくれる出来事でした。
それにしても一か月余り、
いったい何処に居て何処で赤ちゃんを産んだのでしょう。
私には何もしてやることが出来ませんが、
ほんとに愛おしいです。
by 未来 (2018-12-12 15:43)
蜘蛛も魂があって 救われたこと 忘れないのね。
この命 末永く保てますように
by ゆうみ (2018-12-12 16:23)
こんにちは^^
奇跡とはこういうことなのでしょうか...。
それとも蜘蛛は自分が作った巣に戻ってくるという習性があるのでしょうか。自分の命のある限り巣を作り続けるのでしょうね。
未来さんに見守られながら(^^)
by いろは (2018-12-12 16:58)
自然界の生き物の方が人間より遥かにその時その時一生懸命生きてますね!
by みぃにゃん (2018-12-12 19:30)
女郎蜘蛛、精一杯生きてる姿が美しいですねぇ♪( ´▽`)
色々なことに感動してどんな小さなことも見逃さず
そして優しさで包む未来さんだからこそ、
あんな素敵な本が書けるんですねぇ=(^.^)=
by ニッキー (2018-12-12 21:36)
夏の猛暑が終わった後、秋になってから
庭で蜘蛛の巣を見ました。
暖冬とはいえ寒暖の差が大きな毎日は
小さな生き物にとって辛いでしょうね・・・
by oko (2018-12-13 06:38)
女郎蜘蛛との再会 不思議と通じ合っているのではないかと思ってしまいました 奇跡ではないのかもしれませんよ 最後の力を振り絞り糸を張る それでも越冬することは出来ない ドラマがありますね
by チャー (2018-12-13 07:26)
ゆうみさんへ
蜘蛛の巣から居なくなって39日ぶりなので、
本当な驚いてしまいました。
それも足元を歩いているのですから危うい所でした。
少しでも命を長らえて欲しいと願っています。
by 未来 (2018-12-13 13:36)
いろはさんへ
調べた限りでは帰趨本能は無いと思います。
私の性格は、自分で言うのもおかしいのですが、
大袈裟な表現をしてしまいがちなんです。
女郎蜘蛛が居なくなってガッカリしていた所為もあるのですが、
見付けたときは、こんな事があるものだろうかと思ってしまいました。
巣は作り続けるのでしょうが、まだ僅かしか出来ていません。
by 未来 (2018-12-13 13:48)
みぃにゃんさんへ
その通りですね。
自然の理の通り生きている物たちは、
本能の赴くまま一生懸命に生きています。
by 未来 (2018-12-13 13:51)
ニッキーさんへ
ありがとうございます。
ニッキーさんが言われている通り、
邪念も無く、片意地をはらずに、
精一杯生きている物たちは美しいですね。
by 未来 (2018-12-13 13:56)
okoさんへ
色んな設備のある人間でさえ辛いのに、
この寒暖の激しい季節を生き抜くのは大変だと思います。
地球規模でこれだけ災害が発生していると言うのに、
未だに、それを認めようともしない指導者がいます。
それも一国だけにとどまらないのが怖いですね。
by 未来 (2018-12-13 14:04)
チャーさんへ
女郎蜘蛛が蜘蛛の巣を張っていた同じ枝に、
百舌が蛙を生贄にしていたり、
越冬できない生き物が居たり、
小さな生き物の、小さな出来事なのですが、
ドラマチックな物語のような気がしてなりません。
by 未来 (2018-12-13 14:15)
こんにちは^^
こちらにお礼のコメントを入れさせていただきます。
かえってお気を使わせてしまって申し訳ありませんm(__)m
少し気力が戻ってきたのか、送っていただいた本を手に気持ちがワクワクしています。ありがとうございました。
また少しづつブログも再開したいと思っています。
女郎蜘蛛 全編から未來さんの優しい眼差しを感じます。
小さな生き物たちも与えられた命をそれぞれに全うしていくのですね。教えられること多々ですね。
by タックン (2018-12-27 11:54)
タックンさんへ
素晴らしいクリスマスプレゼントを頂いて感謝しております。
本当に、ありがとうございました。
感謝です。
タックンさんがブログを再開されるとのこと、
これもクリスマスプレゼントです。
これからも宜しくお願い致します。
by 未来 (2018-12-27 14:05)
スゴい再会のドラマでしたね^^。命の短い昆虫の1か月後なんてどうなるかなんて分かりませんけど1ヶ月あまりの時が流れた後に同じ場所に戻ってくるなんて、未来さんの周囲に漂っているあったかいオーラに引き寄せられて、小屋に戻ってきたのかもしれませんね。
by きーちゃん2 (2018-12-27 15:02)
きーちゃんさん2さんへ
それがまた話の続きがあるんです。
昨日の12月26日に畑に行ったのですが、
蜘蛛の巣を張っていた場所から、少しだけ離れた所の棚に、
女郎蜘蛛は蹲るような姿勢で亡くなっていました。
とても厳かな感じがして、思わず手を合わせてしまいました。
宿命とはいえ、
もう、この寒さには耐えられなかったのだと思いました。
by 未来 (2018-12-27 15:22)