1483 見果てぬ夢 [詩・エッセイ]
「見果てぬ夢」
手紙もまともに書けないような劣等生が、
頭の中に空洞が出来、
後期高齢者になったというのに何をとち狂ったのであろう、
400字詰め原稿用紙に換算して368枚の作品
「神田神保町物語・月の舩」
最初にして最後になる文学賞に応募してしまった。
年寄りの冷や水、
辞書には高齢に不相応な危ない行為とあるが、
「ラ・マンチャの男」の中で歌われている
見果てぬ夢のように、
最期まで見終わらない夢、
心残りなことや実現不可能なことのたとえであるが、
それでもわたしは挑戦したいと思って
応募してしまった。
でも、創作するという行為は楽しいものである。
「小説家見て来たような嘘を言い」
ホントは、
講釈師見て来たような嘘を言うが本家らしいが、
誰にも束縛されるでもなく、
自分の気が向く儘に、
やりたい放題に書ける醍醐味は至福の極みである。
それに自分の実力よりは遥かに好いものが出来たと、
何時も乍らの自画自賛である。
もう次の題材が書きたくて書きたくて、
うずうずしている自分の年齢は
十七歳になったばかりである。